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2008年9月12日 (金)

パンと寿命の話

繰り返し言われることだが、人はパンのみで生きているのではない。たしかに、私達は、一般に歴史と呼ばれているものの壮麗な行進を振り返ってみるとき、パンというちっぽけな問題は、まったくといっていいほど私達の関心を引かない。権力と栄光、信念と狂気、思想とイデオロギーが歴史書のページを埋め尽くしている様相である。
 しかしながら、人はパンがないと生きられないのは明らかである。他のすべての生物と同じように、生存を続ける第一の原則として人間は食べなければならない。この基本的な条件は最初にそう思えるほど明白ではない。というのは、人間の器官は、本来生き延びるためにあまり効率のよい構造ではないからである。人間の器官が消費する食物の100カロリーごとに約20カロリーだけを筋肉などを動かすエネルギーにあてている。十分食べて、人間は1日に約1馬力時のエネルギーの仕事をすることができる。そして、そのエネルギーで、人間は疲れた体を回復させていかなければならない。疲労回復などを除いて残りのエネルギーで、人間は自由に文明を築くのである。
 多くの国では人間が生きながらえたいという基本的な期待さえ保証されない。アジアやアフリカの広大な大陸で、近東で、そして南米のいくつかの国でさえ、野蛮であっても生き残ることが、人間の前に立ちはだかる問題である。何億人というたくさんの人が長い過去において死んだように、何百万人もの人が現在飢えを栄養不良で死んでいる。それらの国はみんな毎日の生活状態として飢えと直面して生きることがどういうことかを痛切に知っている。たとえば、エジプトの農民は、生まれた日から死ぬ日まで腹いっぱい食べることがどういうことかを知らないと言われている。
 発展途上国の多くの国では人の平均寿命は私達の半分以下である。少し前の話だが、インドの統計学者が100人のアジアとアメリカの幼児を調べ、65歳のアメリカ人の方が5歳のインド人よりも長く生きるだろうという、ぞっとするような推定をした。世界の大部分の地域での、寿命ではなくて若くして死ぬ人の統計は私達の心を打ちひしぐのである。

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